トップへ戻るhome
オーストリア放送協会(ORF)、GENELEC SAM(Smart Active Monitor)システムを導入

2013-01-31

2012 年 11 月に音楽の都ウィーンにある ORF オーストリア放送協会に GENELEC『8260A』をメインに『SAM(Smart Active Monitor)』システムが大幅導入されました。納入台数はトータルで 18 台になります。また、今までの『8260A』の納入実績の中で 1 ユーザーあたりの納入台数は最多になります。

モニター・スピーカーの機種選定で『8260A』が決定される前には、ORF のミキシング・エンジニアの Gerhard Jansa 氏をはじめとするベテラン音声エンジニア・チームと機材管理エンジニアの Christian Knoll 氏による慎重な試聴テストが繰り返されました。そして、更新するモニター・スピーカーに最もふさわしいモデルとして『8260A』SAM(Smart Active Monitor)システムに軍配があがりました。


ORF_pic3.jpg
Regieplatz 1 の『8260A』をメインにした 5.1 サラウンド・モニター SAM システム

Gerhard Jansa 氏は、「SAM システムは、放送局のような正確性が要求される部屋では必要不可欠なものとして、関係者みんなが納得できました。私としては、このシステムは、制作現場が理想としているフラットな周波数特性が提供できる優れたシステムであると確信しています」とふりかえっています。


ORF_pic1.jpg
ORF 音声エンジニア Gerhard Jansa 氏

メイン・コントロール・ルーム Regieplatz 1(第 1 スタジオサブ)が含まれるこのスタジオは、全ヨーロッパの放送局スタジオの中でも最大級の広さを誇り、なんと 4,921 m² = 1,489 坪もある大きなテレビ・スタジオです。(日本ではフジテレビ様の湾岸スタジオ内 D2 スタジオの 1,055 m² = 319 坪が最大だそうです。)このスタジオで現地では有名なエンターテイメント・ショー番組《Dancing With the Stars》で使用されます。もうひとつのコントロール・ルーム Regieplatz 7(第7スタジオサブ)は、いわゆる報道サブで、ニュースや時事番組で使用される部屋です。オーストリアでは 2013 年の夏に総選挙が予定されており、選挙報道に間に合うように工程が組まれました。どちらの部屋の音響設計も Tonarchitektur 社の Peter Willensdorfer 氏が手掛けており、彼とORFの付き合いは長年にわたっているそうです。なお、Peter Willensdorfer 氏は、ベーゼンドルファー・ピアノの設計に関わっていることでも有名な音響技術者です。

GENELEC 本社の広報ディレクターである Lars-Olof Janflod 氏によると、『8260A』は今までの GENELEC 8000 シリーズと比べてほんの僅かですが質感の違いがあります。それは、同軸ドライバーをはじめとして耐久性の高い高品質なパーツをふんだんに使っているからです。その結果として製品のさらなるロングライフ化が実現でき、機材更新がしばらく不要になりますから、結果的に安い設備投資で大きな効果が得られるでしょうとのことです。また、さらに、『8260A』の音質は繊細な表現も可能なことから、ヨーロッパの一般家庭、つまりコンシュマー市場での納入例もあるようです。

ORF への導入事例はビジネス実績や他の波及効果をうみ出すことだけではありません。Regieplatz 1 の室内で 5.1 サラウンドのモニター環境を『GLM』(Genelec Loudspeaker Management)ソフトによって極めて正確に最適化されたことが一番重要なポイントです。なお、この Regieplatz 1 では、『8260A』× 5 台+『7270A』×1 台の 5.1 セットの他に補助スピーカーとして『8240A』× 6 台、ニアフィールド用に『8130A』×2 台、『8020B』×2 台が設置されました。

モニター・スピーカー以外の機材では、LAWO 社のミキシング・コンソール『mc²66』が 2 卓(368 インプット×2 式、合計 736 ch)とオーディオ・ルーター・システム『Nova 73HD』がシステムの中心になっていて、さらに、Dolby® DP570 Multichannel Audio Tool によってドルビー E 方式でメタデータととも変換伝送できるシステムなどで構成されています。前出の Gerhard Jansa 氏は「今回の新システムは音声系統数が多い大規模な番組でもスムーズでシームレスな音声ミキシングが可能になるので、3 月 1 日から一新される看板番組《Dancing With the Stars》でその効果が遺憾なく発揮されることでしょう。さらに、報道サブの Regieplatz 7 は、これから本格的なセットアップが始まり、音声スタッフの技術レベルが大幅アップできることを期待しています」とコメントしています。

前出の Lars-Olof Janflod 氏は「今年 2013 年に GENELEC 社は創立 35 周年を迎えます。この記念すべきタイミングで輝かしい実績が上げられたことを大変誇らしく思います。また、SAM システムはミキシング・ポジションでのモニター環境をベストな状態に改善することが、ユーザー自身の操作で可能です。このようなポテンシャルの高さが未来につながる素晴しいテクノロジーだと自負しています」と語っていました。