GENELEC メタル・ドーム・ツイーターの特徴
多くのスピーカーに採用されている高域再生用ドライバー・ユニット、ツイーター。
GENELEC ではメタル・ドーム・タイプを厳選・採用しています。このメタル・ドーム・ツイーターは「メタル」という言葉の硬いイメージとは裏腹に、非常に低ひずみでしなやかな音質が特徴で、特にモニター・スピーカーのようなニュートラルな音質を実現するのに最適なコンポーネントとして考えられています。
音響学の原理では高音域になるほど直進性が強くなるために、ツイーターの音響指向特性を適度に広げる必要がありますが、ドーム形をしたアルミ合金製の振動板はこの目的に対してシンプルで理にかなった理想的な形状です。あるいはホーン型の場合は音響レンズを用いたりして機械的に指向性を広げる方法もありますが、複雑な機構が要求され、音質劣化のリスクがつねにつきまといます。メタル・ドーム振動板自体の音響指向特性が広がっていることは非常に重要であり、GENELEC オリジナルの音響指向性制御技術の「DCW™」との相性も抜群で、素晴しいコラボレーションを実現しています。
ツイーター・ユニットの役割の原点は、高音域の音声信号を空気の粗密に変換することにありますが、それだけでなく、原音のハーモニクス(倍音)を正確に再現できることが重要です。ハーモニクスがちゃんと聴こえることで、その音源の「らしさ」、「輪郭」や「気配」を耳でしっかりと感じることができます。つまり、倍音は声や楽器の特徴を把握するために大きく貢献しています。別の言い方をしますと、その音の存在感を保持することにつながります。たくさんの音をミキシングしてゆく過程でも他の音に埋没せずに各音源すべてがフェーダーを上げなくても正確に聴こえる状態を実現することは、ハーモニクスの再生能力に依存します。ハーモニクス自体の音声信号エネルギーは極めて微弱なものです。つまり、ツイーターは弱小信号にどれだけ敏感に反応できるかが重要となります。これらのような高度な要求に唯一応えられる素材を追求した結果、GENELEC はメタル・ドーム・ツイーターに行き着いたのでした。

DCW™ Directivity Control Waveguide™ Technology:音響軸を外れても周波数特性の乱れを最小限に保持するために、スピーカー・バッフル面の形状を湾曲させたテクノロジーです。部屋の音響反射や音響干渉の影響を最小限に抑え、スピーカー本体の直接音を際立たせることができます。
GENELEC ツイーター小史

この「S30」は 1978 年の GENELEC 社創業元年に同社が初めて量産販売したファースト・モデルです。
当初フィンランドの放送局 YLE のために開発された S30 はまたたく間に多くのサウンド・エンジニアたちに認められ、結果的に現在ではアクティブ・ニアフィールド・モニターの元祖とされるモデルとなりました。
GENELEC はこの S30 の大ヒットにより、アクティブ・スピーカー・ブランドとして世界中で認知されることとなり、S30 はその後 1992 年までの 14 年間にわたって同社の代表的なモデルとしてラインナップされていました。この S30 は当時では最高の表現力を持っていたリボン・ツイーターを搭載しています。現行モデルの 8000 シリーズではさらなる表現力・高い解像度を目指し、メタル・ドーム・ツイーターが採用されています。
文書作成:オタリテック株式会社
