小型のモニターをミキシング・コンソールのメーターブリッジの上に縦置きにしたり横置きにしたりしますが、どちらが良いのですか?
まず、メーターブリッジの上にモニターを置くと、大音量での再生時にはミキシング・コンソールの表面全体を振動させてしまいます。これは知覚される音質に悪い影響を与えます。ミキシング・コンソール(あるいはその他の操作盤面)によって伝播されたエネルギーが音のにじみや直接音の中域に強いカラーレーションを発生させるからです。そこで、モニターのキャビネットとミキシング・コンソールとの間のこの機械的なカップリングを幾分でも低減させるために、8000 シリーズのモデルには Iso-Pod™ というゴム脚が付属しています。
どんな場合であれ、より良い設置方法はミキシング・コンソール背後のスタンド上にモニターを乗せ、低域ドライバーが邪魔されないように充分な高さを確保することです。
次に、ミキシング・コンソールのメーターブリッジにモニターを横置きにするのは見栄えはするかも知れませんが、次の理由から音響的には良い方法とはいえません:
モニターを縦置きするとコンソール・サーフェスからのオフアクシスの反射の距離と角度が増加します。これによって反射音のレベルが下がるために、反射(通常は 1 〜 2 kHz)によって引き起こされる櫛形フィルター効果が低減されます。

下記はモニターが大型ミキシング・コンソールのメーターブリッジの上に横置きされているスタジオで測定された実際の例です(赤い線)。横置きされたモニターへの櫛形フィルター効果は 1 kHz から極めてはっきりと始まり、7 kHz まで伸びています。これはミキシング・コンソールのサーフェスからの反射によって生じたもので、このような場合の周波数特性はとうてい受け入れがたいものです。
次にモニターを単純に 90° 回転させてミキシング・コンソールのメーターブリッジ上の同じ位置に戻し、他のことは何も変えずにモニターを再度測定した例です(緑の線)。周波数特性がはるかに平坦になったことが見て取れます。これは反射音の角度が変わったためです。200 Hz 以下の特性はモニターを回転させても影響を受けません。この音エネルギーは無指向性だからです。このモニターの無響室周波数特性の誤差範囲はパスバンド内で ±2.5 dB となっています。この誤差範囲の外にあるものすべてはモニターを部屋に置いたことの効果です。
間隔を開けてドライバーを配置するモニター・ソリューションはどれも、ドライバー平面上でオフアクシスで聴くときは周波数特性のノッチに悩まされます。モニターを横置きすると、ミキシング・コンソールに沿って左右に動くときにこのノッチが耳に付くようになります。モニターを縦置きすればこの問題はなくなります。