製品に関して


アナログのモニタリングではなく DSP を選んだとして何か得ることがありますか?

8000 及び 7000 シリーズの当然の発展型として、GENELEC は洗練されたデジタル信号処理を新型の 8200 シリーズ・スピーカー及び 7200 シリーズ・サブウーファーに採用し、高精度リファレンス・モニターにおける、次の水準の解像度を達成しています。

GLM DSP GENELEC スピーカー・マネージャー・パッケージには 8200/7200 シリーズ DSP モニターへの接続を行うのに必要な全コンポーネントが含まれています。標準的な CAT5 ケーブルを介してネットワーク・システム設定一式と 30 台までのスピーカーの制御が行えます。

GLM には使い易くステップごとに手順を案内してくれるセットアップ・ウィザードが含まれており、簡単で漏れのない設置を、そして各スピーカー内の広範な音響設定や設定の保存と呼び出しに使うシステム・セットアップ・ファイルへのアクセスを確実に行うことができます。

GLM ソフトウェアの本質的な部分である GENELEC AutoCal はシングル・ルームのマルチスピーカー・システム用の完全自動音響キャリブレーション・ツールで、長年にわたる音響研究を独自特許の DSP 及びネットワーク制御と組み合わせたものです。AutoCal システムはスピーカーが生成したテスト信号をキャリブレーション・マイクで記録して、GLM コントロール・ネットワーク上の各スピーカー及びサブウーファーにとって適切な音響調整を決定します。


DSP 製品はアナログ製品と同じ音がしますか?

エンクロージャーの形状と素材、内部の音響デザイン、放射及びドライバー特性は 8000 シリーズ・モニターと 8200 シリーズ・モニターとでは同一です。同じように使われるのならば、8200 シリーズの音質は 8000 シリーズの音質とほとんど同じです。違いはクロスオーバー・フィルターの急峻さと、ややタイトなオンアクシスのレスポンスにあります。GLM コントロール・ネットワークと AutoCal を使うと、スピーカーをより高い精度で部屋と一体化させることができ、様々な違いが明らかにされるでしょう。同じことは 7000 シリーズ・サブウーファー及び 7200 DSP サブウーファーにも当てはまります。


アナログ製品と較べた DSP 製品の長所は何ですか?

ソース側でデジタル出力が利用できる場合、サブウーファーやスピーカー内の全処理が完了するまで信号はデジタル・ドメインに留まります。信号はパワー・アンプの直前で最終的にアナログに変換されます。こうすることによって、信号処理における S/N 比、ダイナミック・レンジ、フィルターの全体的な質を最大限に引き出すために最良のゲイン・ステージングを確実に使うことができるようになります。

AutoCal はスピーカー及びサブウーファー内の音響設定が、さまざまに変わる音響条件に合わせて確実に最適に行われるようにします。このため、施設内全体にわたって再生の一貫性が保たれます。

レスポンスの平坦さ、音の到達時間、サブウーファー・クロスオーバーの位相、レベル調整などの複数スピーカーによる音響システムのあらゆる面が自動化され、最適化されます。

ウィザードが簡単で漏れのないセットアップを、包括的なシステム・ドキュメンテーションと共に確実に行われるようにします。

各スピーカー内には 8 つの EQ ステージ(4 つのノッチ・フィルターと 4 つのシェルビング・フィルター)が、各サブウーファー内には 4 つの EQ ステージ(4 つのノッチ・フィルター)及び Bass Roll-off コントロールがあります。

ビデオ・ディスプレイと一緒に使用する際のためのシステム補正ディレイを搭載しています。

システム・セットアップ・ファイルは全設定を保存・呼び出しするために使われます。

キー・テクノロジー:

DSP

  • 標準的な AES/EBU デジタル・オーディオ・フォーマットのすべてが使えるように GENELEC 8200/7200 システムは DSP を採用しています。
  • 8200/7200 シリーズは 32 kHz から 192 kHz の範囲のサンプル・レートを受け付けます。
  • 8200 シリーズは従来のアナログ信号も受け付けて GENELEC 8000 シリーズ製品の全機能と利点を提供します。

GLM

  • GENELEC Loudspeaker Manager(GLM)はネットワーク上の全スピーカーの制御を提供するコンピューター・プログラムです。
  • 30 台までのスピーカーを定義でき、標準的な CAT5 ケーブルを介して制御できます。
  • 機能と設定はシステム・セットアップ・ファイル内に、あるいは各スピーカー内に直接保存されます。

AutoCal

  • AutoCal は較正済み GENELEC 測定用マイク(付属)を用いて GLM 内で動作する自動化アルゴリズムです。
  • レベル、距離による遅延、位相(サブウーファー用)、ルーム・レスポンス・イコライゼーションを正しく設定します。
  • 1 人、2 人、3 人によるミキシング環境のために SinglePoint 及び MultiPoint のマイク位置が用意されています。
  • インタラクティブ・レスポンス・エディターは測定済み及び補正済みレスポンス・カーブの視覚表示を提供します。

DSP 製品にはアナログ製品との互換性がありますか? アナログの 8000 シリーズを DSP スピーカーと混用できますか?

8000 及び 8200 シリーズ・スピーカーのアナログ入力感度は同じですので、製品を直接代用できます。背面パネルの音響コントロール類も同じですので、設定をそのまま移せば同一な室内音響特性が得られます。しかし、DSP システムには短いスループット・レイテンシー(5 ミリ秒未満)があるのに対してアナログ製品にはありませんので、アナログのスピーカーと DSP スピーカーを同じシステム内で混用するのは避けるべきです。例外はアナログの 7000 シリーズ・サブウーファーをアナログ入力を用いた DSP スピーカーと組み合わせる場合です。


DSP シリーズをアナログ・ミキサーと一緒に使ったとして利点はありますか?

8200 シリーズ DSP スピーカーの場合、AutoCal、GLM コントロール・ネットワーク及びユーザー・インターフェイスはアナログ入力信号とデジタル入力信号の両方について動作します。

7200 シリーズ DSP サブウーファーにはアナログ入力がありませんので、アナログのソースしか使えない場合は、8200 DSP モニターにはアナログの 7000 サブウーファーを使う必要があります。7000 シリーズ・サブウーファーでは GLM ネットワーク制御はできませんが、8200 DSP モニターの音響設定は AutoCal を使って最適化できます。あるいは、7200 サブウーファーの手前で 8 チャンネルの A/D コンバーターを使って、用途に一番適した方法でシステムを運用することもできます。


自分が何をやっているのかを理解していないと DSP が提供してくれる機能で音をめちゃくちゃにしてしまう可能性はありませんか?

このシステムは極めて柔軟かつ強力ですので、システム設定の方法は多数あり、スピーカーの特性や位相やクロスオーバー等を大幅に変更できます。そこで、時間を要する調整手順を回避し、ごく短時間での適切なパラメーター設定を提供するために GENELEC は簡単に使えるセットアップ・ウィザードと AutoCal を開発することで、システムの迅速で容易な設定とキャリブレーションを支援しています。


DSP スピーカー内の AD 及び DA コンバーターはどれほど優秀ですか? 私は某ブランドを使っていますが、信号チェーン全体を通じて質が保たれることを確認しておきたいのです。

AD と DA は充分なダイナミック・レンジ(それぞれ 122 dB と 117 dB)を提供していますので、システムの音質を制限する要因にはなっていません。ディザとゲイン・ステージングを正しく使うことによってノイズと耳に付く歪は確実に最小限に抑えられています。


DSP スピーカーとサブウーファーをアナログの 8000 シリーズからどうやって区別したらいいですか?

8200 DSP スピーカーのカラー・バージョンは黒のみです。スピーカーの背面パネルにはモデル・タイプがはっきりと表示してあります。7200 DSP シリーズ・サブウーファーには上側に 2 本のシャンパン色の線がありますので識別に役立ちます。


DSP スピーカーでの付加的なコストを GENELEC はどう正当化しますか?

GENELEC はこの 30 年をプロの制作スタジオやリスニング・ルーム向けのアクティブ・スピーカーを設計することに費やしてきました。それらが確実に市場で現在入手できる最良の製品となるように最新のあらゆる製造技術を用いています。さらに GENELEC はユーザーを訪問し、ユーザーのスピーカーを計測し、音響計測機器とルーム・レスポンス・コントロールを使って調整してきています。このような現場での知識と経験はすべて、スピーカーとサブウーファーが確実に最高の性能を発揮できるようにするための音響設定機能と AutoCal アルゴリズムに投入されています。これほどのスタジオに関して徹底的な業績を残してきている企業は他にないでしょう。


このネットワークは何のためのものですか?

GLM コントロール・ネットワークは GLM ソフトウェアとネットワーク上のスピーカーとの間の通信や制御や監視(遠隔測定)を可能にします。GLM ネットワーク・インターフェイスは、GLM コントロール・ネットワークと、ネットワーク・マスターとして機能して全スピーカーを管理しているコンピューターのハードウェアとの間の情報を伝達します。たとえネットワークが抜けても、あるいは GLM ソフトウェアを動作させているコンピューターがクラッシュしても音声が途切れない頑強さが得られるように、GLM コントロール・ネットワークは注意深く設計されています。


サブウーファーにアナログ入力がないのはなぜですか?

7200 シリーズ・サブウーファーにアナログ入力がないのには相応の理由があります。まず、8 チャンネル分の XLR コネクターと AD コンバーターを追加すると製品のコストが相当高くなってしまいます。そして、特に最も小さい DSP サブウーファーでは、アンプ・パネルにスペースが足りません。


スピーカーを通過するのにかかる遅延(レイテンシー)はどれ位ですか?

サンプル・レートに応じて(より高いサンプル・レートではより短いディレイ)、デジタル AES/EBU 入力の場合はディレイは 3.75 〜 4.5 ミリ秒(400 Hz よりも上)です。アナログ入力の場合、ディレイは固定であり、それは約 4 ミリ秒です。そのため、デジタル入力またはアナログ入力を使った場合のスピーカーを通るディレイはほぼ同じで、ミュージシャン達が生でトラック録りを行うのには充分に短く、半ビデオ・フレームよりも相当短いと言えます。したがって、このようなスピーカーのレイテンシーが問題になることは実用上ほとんどないでしょう。

少し専門的な説明をしますと:これらの DSP スピーカーでは(あらゆるアナログ・スピーカーと同様に)低域に向かうほどディレイは増大します。スピーカーのディレイは 400 Hz よりも下で増加します。というのもスピーカーは最小位相ハイパス・システムであり、そのようなシステムはどれも、低域に向かうほど増大するディレイを持つからです。人間の聴覚系は低域で増大するシステム・スループット・ディレイについてはそれほど敏感ではないのに、中域のディレイ変動と絶対ディレイは耳に付きやすいため、400 Hz というリミットになっています。人間の聴覚系は低域での大きなディレイに慣れていますが、それは多分リスニング・ルームを含むあらゆる物理系がそのように振る舞うためで、それゆえ低域でのディレイの増加はそれほど耳に付きません。仕様には 400 Hz よりも上のディレイ変動を記載してありますが、それは聴覚にはこれが重要である可能性があるからです。


ネットワークのターミネーターは必要ですか?

必要ありません。ネットワークのケーブル接続の全長が 300 メートルを越えなければ不要です。300 メートルを越える場合はオタリテックにご相談ください。


どんな DA コンバーターが利用できますか?

DA コンバーターは DSP スピーカーやサブウーファーに組み込まれていて変更できません。この DA コンバーターは極めて高い性能と充分な技術的仕様を持っており、製品の音質に悪影響を与えることはありません。


フィルターでのフェイズ・シフトはどうでしょう?

どんなフィルターもフェイズ・シフトを伴い、フェイズ・シフトの諸属性はフィルターの種類によって変わります。スピーカーとサブウーファーの内部で使われているフィルターは、他の電気音響システムを補完して、全体的な特性ができる限り良好になるように設計されています。

適切に処置されたリスニング・ルームと良質のスピーカーは「最小位相システム」である(反響によるエネルギーの蓄積がない)と考えることができます。最小位相システムでは振幅特性と位相特性は直接的につながっていて、振幅特性内の変化は位相特性に影響しますしその逆もまた真です。一般的に、イコライゼーションの目的は振幅特性をフラットにすることですが、これには位相特性のリニアリティを改善するという副次的な効果があります。リスニング・ルームはフェイズ・シフトを発生させ、対応する変化を振幅特性に発生させますので、室内のスピーカーをイコライズするために用いられるフィルターは位相特性に影響(良い方向に)します。


このシリーズには他にどんなものがありますか?

DSP シリーズには次のものがあります:8240A、8250A、7260A、7270A、7271A、GLM DSP GENELEC スピーカー・マネージャー・パッケージ、GLM DSP マルチルーム拡張パッケージ。


今時のサウンド・カードの品質と GENELEC 8200A マイクは AutoCal に使われる計測に影響しますか?

現在、ノート型 PC 内に見られるような基本的グレードのサウンド・カードは、スピーカーとサブウーファーのイコライジングに使う室内計測を行うのに充分な品質を備えています。最初の入力キャリブレーション手順の際、AutoCal はサウンド・カードの低域特性を補正します。スピーカーの高域特性は AutoCal の影響を受けませんので、サウンド・カードの高域特性を補正しても何も得るものはありません。GENELEC 8200A 計測マイクはどれもシリアル・ナンバーが付けられ、それぞれに AutoCal が自動的に使用する個別のイコライゼーション・カーブが付属しています。こうすることによって正確な音響計測を行うための信頼性の高いシステム・キャリブレーションが確保されています。


スイッチの設定は内部設定と合算されるのですか?

接続された GLM ネットワークが動作しているときはスピーカーとウーファーはネットワーク制御下にあり、このとき GLM にロードされたシステム・セットアップ・ファイル内の設定が適用されます。ネットワーク制御がないとき、スイッチの 1 つが「Stored Settings」側に設定されていると、スピーカー/サブウーファー内に保存された設定が使われます。スピーカー/サブウーファーのスイッチはスイッチの 1 つが「Manual Control」側に設定されているときだけ動作するようになっています。これらの 3 つの動作モードは互いに独立しています──スイッチ設定の 1 セットは他のものとは合算されません。


音量調節はどこで行われるのですか?

GENELEC DSP スピーカーとサブウーファーは音量調節を DSP 処理の一部として組み込んでいます。音量調整は、デジタル音声データ内の数値をデータを、デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換するためにデータが DA コンバーター内に書き込まれる直前で、減少させます。値を下げると音声レベルが下がります。

音量をあるレベルに設定するコマンドは GLM ユーザー・インターフェイス・ソフトウェア内で作られ、スピーカー・コントロール・ネットワークを使って全スピーカーとサブウーファーに伝達されます。コントロール・ネットワーク上を音声データは通りません。


スピーカーのアイドル・チャンネルのノイズ・レベルはどうなりますか?

GENELEC スピーカー及びサブウーファーのアイドル・チャンネル・ノイズは通常のリスニング条件では聞こえないように充分に低くなるように設計されています。DSP 製品内のあらゆる音量設定についてこのことは当てはまります。


GENELEC の音量調節を用いて減衰させたときのデジタル・オーディオの品質は?

DSP プロセッサー内でデジタル音声信号を減衰させることによって、データを表現する(量子化)上位ビットの数が減ることはよく知られています。量子化が粗い場合(データを表現するビットが極めて少ない)、データが適切に処理されないと歪の発生につながります。

デジタル信号処理内のこの量子化歪を低減する標準的な技術があります。これが「ディザリング」です。音量調節後の信号が完璧にリニアなデジタル音声信号であるように、そして歪が発生しないように、GENELEC では音量制御動作に適切なディザリングを用いています。音量が下げられても GENELEC DSP スピーカー及びウーファーでは耳に付くあるいは計測可能な歪レベルの増大はありませんし、信号は本来のリニアリティと滑らかさを保ちます。音量設定を下げることの聴いて分かる唯一の結果は、音圧レベルが下がるということだけです。


デジタルの音量調節を正しく組み込むには何が必要ですか?

GENELEC は最高の電子部品と高品質のデザイン・スタンダードを用い、妥協のないリニアリティを確保するために、あらゆる信号処理段階において広いダイナミック・レンジと大きなワード長を保っています。また、全デジタル・オーディオ処理チェーンのリニアリティを保証するために、信号処理の一部として適切なディザリングが適用されています。製品開発において GENELEC はあらゆる動作条件及びスイッチ設定でリニアリティが確保されるように徹底的なテストを行っています。