ムービー・ミックス・ルーム用の GENELEC システム・セットアップ
映画は映画館に似た部屋の中でミックスされます。米国ではこの種の部屋は「ダビング・ステージ[dubbing stage]」とか「ダビング・シアター[dubbing theatre]」と呼ばれ、英国では「ミックス・シアター[mix theater]」と呼ばれています。
その他の国々では呼び名は色々と異なりますが、ここではこのタイプの部屋を「ムービー・ミックス・ルーム[Movie Mix Room]」と呼ぶことにしましょう。この種の伝統的な部屋は非常に大きく、映画館のように普通は奥行きが約 15 メートルはあります。
近年の発展の結果、このタイプの部屋の小型化版も生まれていますが、それらを「テレビ・ダビング・ステージ[TV dubbing stage]」とか「小型ムービー・ミックス・ルーム[small movie mix room]」と呼ぶことにしましょう。ここでは、エンジニアのミキシング位置からフロント・モニターまでの聴取距離は通常は 4 〜 8 メートルで、その半分の距離にリア・モニターのアレーがあります。映画のミキシング用に設計された部屋の例を以下に示します:

図面は White Mark Ltd. UK のご厚意によります。
この仕様は、大型及び小型ミックス・ルームの両方でのピンクノイズ・テストで連続的な 85 dB SPL を鳴らすのに必要な最小サイズのモデルを定義するものです。モニターは 105 dB SPL のピーク要件も満たすと期待されます。これらの SPL テストは「規格に合格した」部屋としての認証を得ようとしているスタジオにはよく知られた要件です。
サブウーファーは LFE チャンネルのみに使われます。すなわちベース・マネージメントは行われず、上側カットオフ周波数は 120 Hz となります(しかし、国によってはベース・マネージメントが許可されていますので、付加的な SPL 要件を満たすためにはサブウーファーの仕様はより高いものにすべきです)。
リア・チャンネルのモニターには様々な可能性があります:チャンネル毎にフロント・モニターと同一聴取距離に 1 台のモニター、そしてフロント・モニターの半分の聴取距離にチャンネル毎に 1、2、3、4 台のモニター(ダビング・ルームによくあるように)です。6.1 フォーマット互換性は今日では多くのムービー・ミックス・ルームでの要件になっており、モニター構成はこれも可能である必要があります。さらに、映写スクリーン背後に配置されたモニターを補正するために外部的なイコライゼーションが必要になるかも知れません。このことは SPL 要件に、そして結果としてモニターの選択に影響する可能性があります。
この表を使うには、まず聴取位置からフロント・モニターまでの距離を測り、次に:
- 聴取距離にとって充分に大きいフロント・モニターのモデルを選んでください。平均的な聴取距離は示されている最大値のほぼ半分です(下記の注をご覧ください)。
- フロント・モニターと同じ行から、部屋の構成(距離と数)に適したリア・チャンネル・モニターを選んでください。
- フロント・モニターと同じ行から、サブウーファーを選んでください。
| 最大前方距離 | 平均前方距離 | フロント・モニター | リア 1 本(同じ距離に) | リア 1 本(半分の距離に) | リア 2 本(半分の距離に) | リア 3 本(半分の距離に) | リア 4 本(半分の距離に) | サブウーファー(LFE) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 4.5 m | 2.3 m | 1037C | 1037C | 1032A | 8050A | 8040A | 8030A | 7071A |
| 8.9 m | 4.5 m | 1038B | 1038B | 1037C | 1037C | 1037C | 8050A | 7071A |
| 11.2 m | 5.6 m | 1034B | 1034B | 1038B | 1037C | 1037C | 1032A | 7073A |
| 14.1 m | 7.1 m | 1039A | 1039A | 1038B | 1037C | 1037C | 1037C | 7073A |
| 28.2 m | 14.1 m | 1035B | 1035B | 1039A | 1034B | 1038B | 1037C | 7073A × 2 |
| 28.2 m | 14.1 m | 1036A | 1036A | 1039A | 1034B | 1038B | 1037C | 7073A × 2 |
注:前面の推奨最大距離は、この距離において Dolby* ライセンス仕様の SPL 部分を満たすと期待される最小サイズのシステムのためのものです。より大規模なシステムはより高い音圧レベルと指向性制御をお届けしますので、ためらわずに、表示されているものよりも大きめのモデルをお選びください。ただし、オーバースペックのシステムを構築する際はシステム全体のバランスを保ってください。そのためには他のチャンネル用のモニターを必ず同じ行から選んでください。言い換えますと、リア用に 8030A と LFE チャンネル用に 7070A サブウーファーを選んだ場合は、前面用に 1036A を選ばないでください。
*)Dolby はドルビー・ラボラトリーズの登録商標です。