アナログ・システムの選定 - ステレオ & マルチチャンネル

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はじめに

このシステム選択ガイドは、部屋の中で使われているモニターが大きすぎたり、聴取距離が長すぎたりすることがないようにするためのものです。
このガイドの推奨では、お客様が望めば大きめのモニターを使うこともできます。このような「オーバースペック」のモニターの利点は、ある一定の SPL 出力を得る際の歪が低減され、指向性がより良く制御され、中域がより滑らかになるということにあります。

正しいモデルを選ぶ

製品選択を行う際のガイドとして下表を用い、次の 3 つのシンプルなステップに従ってください:

  1. 部屋の容積を計算し、その容積よりも小さくない「最大聴取距離」のコラム内で一番高い行を読みます。
  2. 聴取エリアの中心までの聴取距離を測定し、その距離よりも短くない「平均聴取距離」のコラム内で一番高い行を読みます。
  3. 上記 2 ステップで異なる行が選ばれた場合は、低い方の行からモデルを(つまり 2 つのうちの大きい方のシステムを)選びます。

注:
a)ここでの推奨事項は、大半のプロオーディオ用途に適した音圧レベルを提供できると期待される最小サイズのシステムのためのものです。より高い音圧レベルと指向性制御が得られますので、大きめのシステムを選ぶことも可能です。ただし、システム全体のバランスを保つことに気をつけてください(例えば、リア用に 8030A と LFE チャンネルとベース・マネージメント)用に 7070A サブウーファーを選んだら、フロント・チャンネル用には 1036A を選ばないでください)。
b)リア・チャンネルにも、別にサブウーファーを追加で用いることができます(以下では詳しく触れていません)。
c)スペースや予算が限られている場合、リア/サイド・モニターは 1 つサイズの小さいモデルを選ぶことで少し妥協することができます(8050A の代わりに 8040A を使う)。

アクティブ・モニター・システム選択表

部屋の
最大容積
最大
聴取距離
平均
聴取距離
フロント・スピーカー
ステレオ & LCR
サイド/リア
スピーカー
(チャンネル毎)
2 チャンネル
ステレオ用
サブウーファー
1)
5 チャンネル
サラウンド用
サブウーファー
2)
55 m³1.8 m1.2 m 6010A 6010A 5040A 5040A
65 m³1.8 m1.2 m 8020A 8020A 7050B 7050B
75 m³2.0 m1.3 m 8030A 8030A 7050B 7060B
75 m³2.0 m1.3 m 8130A 8130A 7050B3) 7060B 3)
85 m³2.2 m1.4 m 8040A 8040A 7060B 7070A または
2 × 7060B
95 m³2.3 m1.5 m 8050A 8050A 7070A または
2 × 7060B
7071A または
2 × 7070A4)
110 m³2.4 m1.6 m 1032A 1032A 7070A または
2 × 7060B
7071A または
2 × 7070A4)
125 m³3.5 m2.3 m 1037C 1037C 7071A または
2 × 7070A
7073A または
2 × 7071A4)
170 m³4.0 m2.5 m 1038B または
1038BC
1038B または
1038BC
7071A または
2 × 7070A
7073A または
2 × 7071A4)
200 m³4.5 m2.8 m 1034B または
1034BC
1038B または
1038BC
7073A または
2 × 7071A
2 × 7073A4)
240 m³4.7 m3.0 m 1039A 1038B または
より大きいもの
7073A または
2 × 7071A
2 x 7073A4)
400 m³5.5 m3.5 m 1035B 1038B または
より大きいもの
2 × 7073A 3 × 7073A4)
400 m³5.5 m3.5 m 1036A 1038B または
より大きいもの
2 × 7073A5) 3 × 7073A5)
  • 1)システムを最終的にはサラウンドにアップグレードする計画の場合は、将来的な SPL 互換性を確保するために「5 チャンネル・サラウンド用」コラムからサブウーファーのモデルを選ぶことをお薦めします。また、2 つのサブウーファーのうちの大きい方を選ぶことによってステレオ・システムでは付加的なヘッドルームが得られ、歪が少なくなります。
  • 2)この表はサブウーファー内蔵のベース・マネージメント・システムが使われることを想定しています。これは音楽産業では普通な状況です。サブウーファーが LFE チャンネルしか再生しないのであれば、サブウーファーの数は少なくても、また小型のサブウーファーでも充分でしょう。これは映画産業では普通な状況です。
  • 3)デジタル入力を用いる場合、8130ALSE シリーズ・サブウーファーのアナログ・クロスオーバー・フィルターと一緒には使えません。このサブウーファーは LFE チャンネルだけを再生するのに使用可能です。
  • 4)より広い部屋で重低音のあるプログラム素材を鳴らす場合は同じタイプの追加サブウーファーが必要になる可能性があります。
  • 5)ステレオの 1036A はフルレンジですので、このモニターを用いる場合にはサブウーファーは必ずしも必要ではありません。サラウンド・システムの場合は、コンソールのモニター・セクションを使って LFE 信号をフロント・スピーカーにルーティングしてください。あるいは、サブウーファーは LFE チャンネルだけを再生するのに使うこともできます。
  • 1000 シリーズの製造終了製品については、代替モデルと読み替えてください:1029A は 8030A に、1030A は 8040A に、1031A は 8050A に代わられました。

モニター選択の例

1.部屋の幅が 4 メートル、奥行きが 7 メートル、高さが 3 メートルならば部屋の容積は 84 m³ です。これによってスピーカーの選択は 8040A もしくはそれ以上に限られます。そして計測した聴取距離が例えば 1.9 メートルだとすると、選択されるフロント・スピーカーは 8040A もしくはそれ以上であることが確実になります。

2.部屋の幅が 6 メートル、奥行きが 13 メートル、高さが 2.5 メートルならば部屋の容積は 195 m³ です。これによってスピーカーの選択は 1034B もしくはそれ以上に限られます。測定した聴取距離が例えば 5 メートルだとして、1034B は 4.5 メートルまでで使われるべきですから、選ばれるフロント・スピーカーは 1035B またはそれ以上となります。

複数のサブウーファー

2 台またはそれ以上のサブウーファー(サム出力を持たない 7050B を除く)を互いに近づけて配置すると、相互カップリング[mutual coupling]という役に立つ副産物が得られます。これは低い周波数による長い波長によるもので、振幅の重畳を引き起こします。相互カップリングを生じさせるには、サブウーファーは片方のサブウーファーの半波長内に配置する必要があります(上側クロスオーバー周波数 85 Hz の場合、波長は約 2 メートルです)。例えばサブウーファーを 2 台使うと聴取位置では音響出力は 6 dB 増大します。下表をご覧ください。

サブウーファーの相互カップリングによる音圧レベル一覧表

サブウーファー総数サブウーファー 1 台と比較した
音圧レベル増分
7060B7070A7071A7073A
10.0 dB113 dB117 dB123 dB129 dB
26.0 dB119 dB123 dB129 dB135 dB
39.5 dB122.5 dB126.5 dB132.5 dB138.5 dB
412.0 dB125 dB129 dB135 dB141 dB