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日本語取扱説明書&技術解説:ダイナミクス処理

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マルチバンド・デザイン

マルチバンド・システムは音声周波数スペクトルをいくつかの重なり合う周波数帯に分割します。ゲインとレシオは(通常はアタックおよびリリース・タイムも)これらの周波数帯すべてに対して個別に設定でき、各帯域に対する個別な処理が可能になっています。マルチバンド段の出力を組み合わせるときにいくつかの問題が生じます。この合成された出力信号のスペクトル・バランスはかならず入力とは異なっています。その結果、高域と中域と低域の関係はまったく別の印象のスペクトルや音質となってしまいます。これは音楽を聴く場合には特に問題です。

マルチループ・デザイン

Jünger Audio のダイナミクス・プロセッサーの多くはマルチループ原理に従って動作します。スペクトルを分割するのではなく、様々なループのそれぞれが音声周波数帯域全体に作用します。各ループはアタック及びリリース・パラメーターのセットをそれぞれ持って並列に動作します。どのループもそのパラメーターに基づいて制御信号を生成します。これらの制御信号は演算・組み合わされて(Jünger 独自特許アルゴリズム)ひとつのゲイン変更エレメントに適用されます。

適応的ダイナミック・レンジ制御

マルチループ・デザインに基づいて、Jünger 独自特許アルゴリズムは入力信号の経時的な変化に従ってアタックおよびリリース・タイムの自動調整を可能にします。これを「適応的ダイナミック・レンジ制御(Adaptive Dynamic Range Control)」と言います。このシステムは手動調整の必要なしに最適な信号処理が行われるように全タイミング・パラメーターを自動調整します。

Jünger Audio のダイナミクス・プロセッサー・パラダイム

音声信号のダイナミック・レンジを変更するのは本来非線形なプロセスです。
普通のライン・アンプと異なり、ダイナミック・レンジ・プロセッサーのゲインは一定ではありません —— このゲインはダイナミクス・プロセッサーの特別な制御アルゴリズムと入力信号の変化する振幅とに基づいて時間と共に変化します。このようなゲイン変化こそが制御の過程です。ポンピングや歪やノイズ変調のような負の副作用を音質に与えないような処理アルゴリズムやアナログ回路を設計することは一種の芸術であり科学であると言えます。Jünger のダイナミクス・プロセッサーは前記の副作用に関しては「聴いても分からない」ように、そして「クリーン」なように最適化されています。適応的なマルチループ・デザインのおかげで、このダイナミクス・プロセッサーは最高級の「一度設定したら忘れて構わない」システムになっています。

ルックアヘッド

大げさに感じられるかも知れませんがオーディオも偶然に従わなくてはなりません。その結果、大量の信号歪を生じさせることなく信号をある値まで完全に低減させるには反応型のシステムはどれも遅すぎることになります。真のブリックウォール・リミッターを、あるいは高速のコンプレッサーを設計するには信号経路に遅延を導入する必要があります。

検出回路は入力信号をリアルタイムで受け取り、反応して動的なゲイン変化を生成します。ゲイン要素(コントローラー)に信号供給する入力経路は 2 ミリ秒だけ遅延されます。したがって元の音がコントローラーに現れたときにはゲイン・リダクションはすでに生じています。高いピークは歪をと信号の劣化を最小限に抑えつつ低減されます。唯一の欠点はどうしても生じてしまう 2 ミリ秒の遅延ですが、これは大半の用途で重大な問題になるようなことはありません。