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日本語取扱説明書&技術解説:FM 送信前の処理

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デジタル伝送される信号の処理

FM 放送の S/N 比を高めるため、通常は送信機の手前で音声信号にプリエンファシスが施され、そしてそれに対応するディエンファシスが受信機側で適用されます。その結果、プリエンファシスは伝送された音声信号の高域成分のレベルを高め、それゆえ FM キャリア周波数の変動量を増大させます。

通常 FM 放送システムに適用されるプリエンファシスの必要性を考慮して、Model D07 デジタル・トランスミッション・プロセッサーの出力信号レベルは制限できるようになっています。このユニットは制限された音声出力を保ちながらプリエンファシスを考慮する 2 通りの方法を提供します。

「fixed mode」では Model D07 自体が、出力信号レベルを制限する処理を実行する前に固定パラメーターのプリエンファシスを音声信号に適用します。リミッターよりもあとで、このユニットは対応するディエンファシスを音声信号に適用します。リミッターはプリエンファシスされた信号に作用しますので、このことによって確実に、信号経路の後続地点で音声信号にはプリエンファシスが再度適用されるときに信号が送信機で過偏移が生じないようなレベルになおも制限されているようになります。この処理方法の短所は信号の低域から中域部分の最大レベルが下がることにあります。というのも、リミッターの動作を支配する高域の高められたレベルに基づいて(ブロードバンド)リミッターが全体的な信号レベルを下げるからです。この状況は Jünger Audio が特別に開発した「適応的スペクトル処理(adaptive spectral processing)」によって克服できます。

「adaptive mode」で使われると、信号はリミッター前ではプリエンファシスを適用されません。その代わり、リミッターのうしろに動的制御可能なローパス・フィルターが追加されます。このフィルターの特性は変更でき、プリエンファシス済み音声信号が送信機の過偏移を生じさせかねないようなプログラム素材内のしかるべき点において、高域信号のレベルのみを低減するために、フィルター特性の適応的制御が使われています。Model D07 はローパス・フィルタリング処理用に極端に速いリリース・タイムを持っていますので、過偏移防止のための高域信号のレベル低減が有効なのは極めて短いあいだだけです。その結果は実際にはまったく聞き取ることができません。この処理方法の利点は低中域信号は影響を受けないことにあります。過偏移の危険無しに出力レベルをつねに最大限にすることができます。

Jünger Audio が開発したダイナミック・レンジ・プロセッサー原理によって、優れて高い音質を備えたコンプレッサーやリミッターやエクスパンダーを作ることができます——それもこの種のプロセッサーにしばしば結びつけられることの多いカラーレーションやポンピングやブレシングや歪や変調効果なしに。要するに、ほとんど耳に付かない処理が簡単な操作で行える、ということです。