2015-06-09

オーストリアの ORF,ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト 2015 で LAWO の IP インフラを活用

今年のユーロヴィジョン・ソング・コンテストの舞台では揃って成果が挙がらなかったオーストリアとドイツの両国ですが,スクリーンの裏では満点を獲得しました。

オーストリアの放送局 ORF は 60 回記念となる世界最古かつ最も成功したテレビ放送ソング・コンテストにおいて見応えのあるテレビ/ステージ・ショーを提供した完璧なホストを務めただけではなく,技術的に独創的な制作コンセプトをももたらしました。80 ヶ国の 2 億人以上の視聴者は,スウェーデンのモンス・セルメロー(Måns Zelmerlöw)が 26 人の決勝戦相手よりも高得点を獲得するのを見届けましたが,このコンテストの音声信号すべてがユーロヴィジョンのイベントでは初めて RAVENNA/AES67 ベースの IP インフラを介してルーティングされていたことには気付かなかったでしょう。LAWO『Nova 73』オーディオ・マトリクス──接続されている ORF の放送サプライヤー VideoHouse 社が使う『DALLIS』I/O システムも含めて──と,映像と音声の分配のための LAWO コメンタリー・ソリューションのどちらも IP ネットワーキング技術に基づくものです。

全音声信号は中央の 1 台のオーディオ・ルーターによって収集され,本イベントの配信元と OB バンすべてに分配されます。このセットアップは機材と配線に対する要求を最小限に抑えながら設置の柔軟性を大きく高めます。中央の音声インフラは音声運営の中心となる 1 台の LAWO『Nova 73HD』オーディオ・ルーティング・コアを基盤にしました。10 台の『DALLIS』I/O システムが RAVENNA Audio-over-IP テクノロジーを介してこのコアに接続され,96 本の Sennheiser ワイヤレス・マイクと 32 個の Sennheiser インイヤー・システムそして Pro Tools プレイバック・システム 1 台を含む会場内の全信号の分散的な収集と分配が可能です。この LAWO インフラは制作に必要な同期およびタイムコード信号の分配も可能にしました。

この LAWO『Nova』インフラは全部で 6,600 以上の音声信号を 6 台の OB バンならびにホール内の FOH 卓とモニター卓にルーティングしました。OB トラックはすべて(ORF の 3 台の車両と VideoHouse の 3 台の車両)は LAWO『m²66』または『mc²56』デジタル・ミキシング・コンソールを搭載しており,さらに,VideoHouse 社のトラックは音声のエンベディング/デエンベディングとフォーマット変換のために LAWO『V__pro8』ビデオ・プロセシング・システムも装備していました。設置した設備全体を管理・制御するのに L-S-B 社の VSM システムが使われました。

このプロジェクトは技術的なコンセプトの開発や設置,現地サポート,LAWO のレンタル・パートナー Audio Broadcast Services(ABS)社からの機材を含めて LAWO によってターンキー・ソリューションとして扱われました。ABS 社は全部で 15 トンの LAWO 機材をウィーンに送り込みました。

写真撮影:Ralph Larmann