2015-07-21

2015 Thurn-und-Taxis Schlossfestspieleでのプッチーニ《ラ・ボエーム》は『mc²56』でミックス

ドイツはレーゲンスブルクの聖エメラム宮殿の中庭は 2002 年以来,《トゥルン・ウント・タクシス・シュロスフェストシュピーレ(Thurn-und-Taxis Schlossfestspiele)》の会場となっており,ステージ上のハイライトは FOH のオーディオ・ミックスによって作り出されます。

トーンマイスターの Carsten Kümmel 氏が,野外で行われたのにも関わらずジャコモ・プッチーニの《ラ・ボエーム》の上演にコンサートホールのアンビエンスを創り出しました。キーとなったのは LAWO『mc²56』ミキシング・コンソールでした。

コンサートホールのような自然なリスニング体験は会場の講壇の下に取り付けられたモニター・スピーカーを使って実現されました。スピーカーからは初期反射量の多いエフェクト・チャンネルが城壁に向けて放たれ,その音は観客に向かって分散反射されました。オーケストラ自体は舞台上にもその近くにもいないで,宮殿のボールルーム(舞踏室)内で演奏し,そこでは通常のマイクテクニックを使って楽器の音をピックアップしました。音声信号はボールルームとステージとの間で伝送され,指揮者にはコミュニケーションに用いられるビデオ・フィードと共に供給されました。

また,Kümmel 氏は従来のパンニングとは異なって会場の端にいる観客に対してもステレオ・ミックス内の楽器を適切なバランスで届けるパンニング技法を用いました。

「今回のようなフェスティバルでは 100 以上の入力と 40 以上のバスを使いますので,自分の主張を弱めたくないのであれば大規模なミキシング・コンソールが必要になります」と LAWO『mc²56』を選択した理由を同氏は説明します。「このコンソールならば,こういった要求はまったく問題ではありませんが,他のコンソールだと限界に達してしまうでしょう」。

このコンソールのその他の利点にはワークフローの選択の柔軟性と,レコーディング・ソフトウェアをコンソールのディスプレイを使って制御して MADI 経由で PC に録音できることがあります。FOH の場所が講壇の下になるという困難さゆえに,ミキシング卓の位置から完璧なサウンド・バランスを遠隔的に達成できる LAWO のリモート・コントロール用 iPad アプリが不可欠となりました。「このような意欲的なミキシング計画の要求事項すべてに関して『mc²56』は申し分なく能力を発揮し,高い信頼性を示しました。それにこのコンソールは操作して楽しいのです」と 13 年前の最初の舞台からこのイベントのライブ・サウンドを担当してきた Kümmel 氏は言います。

チャレンジ
このフェスティバルのプログラムはオペラやクラシック音楽,クサヴィア・ナイドー[Xavier Naidoo]やザーズ[Zaz]から子供向けのミュージカルまであらゆるものを取り上げますので,サウンドに対する要求は毎日変わります。そのため,毎年の演目について詳細な事前計画が 1 月には始まっています。このイベントの技術プロバイダーでレーゲンスブルクに本拠を置く Sugar 社がそれぞれの日に必要な機材を指定する詳細な Excel スプレッドシートを提供します。「舞台には 3 台の『DALLIS』ステージボックスがありました:2 台の可搬式のものは日々の要求に合わせて使い,もう 1 台の据付式のものはコミュニケーションや楽屋向けの音声や休憩と緊急時のアナウンス用のチャイムといった標準的な要求事項用に設定しました」と Kümmel 氏。

「機材は入念に準備されて完璧に動作する状態で LAWO のレンタル会社 Audio Broadcast Services によってスケジュールどおりに届けられました。さらに 2014 年のイベントのコンフィギュレーション・ファイルが発送前にインストールされていましたので必要なのは微調整だけでした。水曜日にスタッフと私はオーケストラと合唱団とソリストのマイキングを行うことができ,木曜日まる一日はサウンドの最終的な微調整に取っておくことができます。この制作のサポートのために LAWO のプロダクト・マネジメント・チームも立ち会っていました。このフェスティバルは今回も大成功でした。このコンソールが様々な可能性を提供しているのにも関わらず──あるいはそれゆえにかも知れませんが──,技術的なワークフローは実際にずっと明確にアレンジされていて,『mc²56』を使った先年よりも使い易かったです。ですから私は本当のフォーカス,つまり音楽に集中することができました」と Kümmel 氏は話しを結びました。