2016-11-29

LAWO 製品,《The Grand Tour》にトップギアで参加

先頃 Amazon プライムで公開された,Jeremy Clarkson,Richard Hammond,James May の3氏が出演する《The Grand Tour》のファースト・エピソードは現在のところ同ストリーミング・サイト最大のプレミアであると伝えられています。前番組《Top Gear》の3人のプレゼンターが陽気な世界冒険旅行に乗り出すにあたり,LAWO 製品をドライビング・シートに積んだのはオランダを本拠とし,メディア/放送会社に機材やテクニカル/クリエイティブなサポートを提供する屋外中継放送のサービス・プロバイダー「United」社です。

このシリーズは北米で放送されますので 23.98 のフレーム・レートでマルチカメラの 4K HDR 制作として撮影されます。

「United は Muse と U2 のライブ・コンサートを含めて 4K/HDR 収録に良い評判を得ていますから,それが私たちがこの仕事を獲得した主な理由なのでしょう」と音響監督 Huub Lelieveld 氏は語ります。同氏は Rob Ashard,Mischa Kortleve の両氏と共にレコーディングのミックスを担当しています。「音声に関しては,私と同僚の Christian Postma はできる限り高い音質を作って高解像度の映像にマッチさせたいと思っていました」。

ファースト・エピソードは車やロードの様子と同様にカリフォルニアでの収録時のショーのスタジオ・テント内部からの映像もフィーチャーしています。シリーズが進むに連れてプレゼンターたちは特殊部隊の兵士となり,ヨルダンにある秘密訓練基地に入ったり,オペラへの訪問を楽しんだりします。彼らと行動を共にするフルサービスのオペレーターが United です。

「録音については 4K と直接的に等価なものはありません──音声は 48 kHz のままです。私たちは映像に相応しいまったく妥協のないオーディオ・セットアップを作りたかったのです──ですが,すべてのものが世界中を飛び回りますから,できる限り小型である必要があります」と Lelieveld 氏。

「ちょっとしたブレインストーミングをやって,レコーディングと FOH の両方にできる限りコンパクトで質の高いオーディオ・コンソールを使おうと決めました。私たちにとって LAWO『mc²36』を選ぶことには何の疑問もありませんでした。他のブランドの放送用コンソールも同様ですけど,私は LAWOコンソールを毎日のように使っています。ですから LAWO コンソールは機能と音質と信頼性の面から私にとってベストの選択でした」。

LAWO 社のオールインワン・ミキシング・コンソール『mc²36』は要求の厳しい放送制作に合わせて最適化されていて,優れた音質と強力な DSP を提供し,放送の IP インフラストラクチャーと一体化されるように RAVENNA/AES67 テクノロジーを標準装備します。

《The Grand Tour》への United の要求事項に基づき,FOH 用には Martijn Kuiper 氏が操作する 16 フェーダーの LAWO『mc²36』を,別のテントにある OB ギャラリー用には 24 フェーダーの第2の『mc²36』が選択されました。「私たちは RAVENNA を使って LAWO『Compact Stagebox』を1台接続しており,そして2台のコンソールは『Compact Stagebox』上の MADI ポートを使ってデジタル接続され,すべての入出力は2台の LAWO コンソール間で共有されています」と Lelieveld 氏は説きます。「3人のプレゼンターは無指向性のラベリア・マイクを着けて観客と一緒に PA のあるテント内にいます。いつもそうですが PA は観客がこのコメディを確実に聴いて反応できるようにできる限り音量が大きい必要があります。ドライなサウンドをダイレクトに得るために,OB と FOH の両方で LAWO の『Automix』と Cedar Audio の DNS8 ノイズ・リダクションを使っています。私は『Automix』からできる限りドライなサウンドを得るべくかなり試してみて,極端な Automix を行うには各チャンネルで最大ドライブかつ短い(25 ms)リリース・タイムを用いると上手く行くことを発見しました」。

United チームの狙いは最高水準のディテールと解像度を提供するためにノイズやハムやバズに強いフルデジタルのセットアップを作ることでした。そのため,観客の反応については Neumann KM184D デジタル・マイクが Neumann DMI8 ボックスに信号供給するようになっています──全部で 14 本のマイクロフォンが使われました。

「世界中どこでも安心して使える RF システムが必要でしたので無線マイクは Wisycom のものです。極めて広い有効周波数スペクトルを持つ Wisycom はこれに最適です」と Lelieveld氏。「すべてをデジタルに保つためにこれらは AES を介して接続されています」。

RIEDEL のインターカム・システムはアナログ入出力をまったく使っておらず,MADI を介して LAWO コンソールに直接接続されていますが,アナログ接続はすべてコンソールを通ります。

「今のところ結果には本当に満足しています」と Lelieveld 氏は言います。「これはアコースティクスやスタジオ・テントの外の騒音や周囲の環境など音声に関してはかなり難しい仕事ですが,私たちの妥協を排したセットアップは非常に上手く行っています」。 《The Grand Tour》のセカンド・エピソードは Amazon プライムで 11 月 25 日にオンエアされました。