2018-10-04

《アジア大会》で使用されたLAWO社IPコア・ルーティング/プロセシング・プラットフォーム『V__matrix』


『VSM』システムのルーターGUI


『V__matrix』フレーム


コメンタリー・マトリクス,『Nova17』,『Nova_37』,オーディオ・ルーター


集中機材室の映像機材ラック


CDTルーム

この9月,インドネシアのジャカルタとパレンバンでの史上初の同時開催だった第18回アジア大会は,15日前の開会式と同じジャカルタ会場での閉会式をもって終了しました。

「アジアのオリンピック」と広く呼ばれる《18th Asian Games Jakarta-Palembang 2018》にはアジア圏内だけで行われている種目が含まれ,オリンピックで良く知られている競技種目以外にドラゴンボートや中国の格闘技「武術太極拳」も競われました。

アジア全体やそれ以外へも放送されて1億1200万人が視聴することもあり,INASGOC(Indonesia Asian Games Organizing Committee:インドネシア・アジア大会組織委員会)はIGBS(International Games Broadcast Services)をホスト放送局として任命。IMG社(ロンドン)とHBS社(スイス)のジョイントベンチャーIGBSは同大会の生放送制作と分配を担当しました。当イベントのためのジャカルタのIBC(International Broadcast Center:国際放送センター)には,NHKとTBS(日本),KBSとMBCとSBS(韓国),CCTV(中国),TV5(フィリピン)Astro(マレーシア),SCTV(インドネシア),そしてBEINとAlKass(カタール)を含む各国の放送局が入りました。

ライブ制作に際してLAWO機材は信号処理と分配や集中制御に使用され,LAWOセットアップ内の集中的ルーティングはLAWO社ソフトウェア定義IPコア・ルーティング/プロセシング・プラットフォーム『V__matrix』ユニット1台が扱いました。2台の『V__remote4』ユニットがPTP同期をもたらし,『VSM』(Virtual Studio Manager)システム1台で総合的な制御を行いました。このイベントに使われる27箇所の大スタジアムは生放送のために常時IBCと繋がっていましたが,「小規模な」会場からのフィードはスポーツ放送用にENGカメラで収録されてその素材はIBCに送られました。

この放送セットアップにはコメンテーター用ユニット込みのスタジアム内制作キットや多方向リポート用のIBC内の常設機材が含まれます。会場で制作された信号はIBCに伝送され,そこで技術的なチェックとコンテンツのチェックが行われてから各放送局に分配されました。

イベント計画によって信号量も決まます:27箇所のスタジアムからのライブ・フィードとENG素材に加えて,風景と文化的なイメージを伝えるためにインドネシア国中に分散された6台の景観カメラからの信号が記録され分配されました。毎日のプレス・カンファレンスのフィードとその日のイベントのハイライトを制作して分配しなくてはなりませんので,多数のフィードを受け容れることができるルーターが必要でした。この目的のために,そして将来のIPベースの放送制作も見込んで,HBSは『V__matrix』を選択しました。

400入力と400出力を持つように構成されたこのマトリクス(フレーム8台に『C-100』ボード64枚を収容)は,2台の『VSM』サーバー上で動作するLAWO『VSM』によって制御される21個のマルチビューワー・ポートを提供しました。『VSM』システムはCDT(Contribution, Distribution and Transmission Room)内で利用できる6台の23インチ・ディスプレイ上の16台の『VSM』ソフトパネルによって,また他の部屋内で使われるタブレットの画面上でも操作されました。

技術長のHarry Petry氏:「将来のプロジェクトのために分散化IPインフラをセットアップできるように私たちはこの仕事に『V__matrix』を選びました。LAWOさんは様々な製品で最新鋭のIPベース技術を提供しており,『V__matrix』によってマーケット・リーダーとなっています。アジア大会がロシアでのワールドカップと時間的に近かったために私たちにはいつものようにシステム全体を構築してテストする時間がありませんでしたが,近年の沢山の大規模スポーツ・イベントでのLAWOさんとの共同作業で強く信頼するようになっていましたので,このソリューションで行くことに決めました。私たちはシステムを8月の始めに動かし,時間的なプレッシャーにも関わらず,すべては計画通りに進行しました」。

『V__matrix』は完全にバーチャル化されたリアルタイム制作インフラストラクチャーを提供し,それはリダンダントな10GEおよび40GE接続能力を持つ強力な標準的なスイッチに接続された多数のコアをサポートします。このことによって,伝統的なベースバンド・ルーターの場合と同様なフレーム精度のクリーンなスイッチングが行える分散化IPルーティングと処理マトリクスを構築可能になります。

ダークファイバー[敷設済みの未使用光ファイバー]接続が利用できる会場では室内競泳プールとメイン・スタジアムとIBCビルディング内の3つの会場からコメンタリー信号を受けるのにLAWOのコメンタリー・システムが使われました。

『LCU』(Lawo Commentary Unit)はHBS(Host Broadcast Services)社との緊密な共同作業によって開発されました。このシステムはIP放送インフラストラクチャーを使用し,スタンドアローン運用を行うためにLAWO『mc²』音声卓や『Nova』ルーターへの直接接続が可能です。LAWOのR&Dチームが行った多大な開発作業が,音声データのIPを介するRAVENNAリアルタイム伝送(Audio-over-IP)に基づくフルデジタル・コメンタリー・システムとして結実しました。このシステムは標準的なIPネットワークで建物と機材の両方を繋ぎ,ケーブル配線を減らしてシステムの柔軟性を高めることができます。