2010-04-23

NPR (National Public Radio) enhances Washington, DC facility

Lawo console and networking technology to streamline operations.

非営利のニュース/トーク/エンターテインメント番組の国際的に評価の高い制作兼配給元である NPR は毎週総計で 2 億 6,400 万に達するリスナーを擁する番組を制作・配信しています。会員団体が 784 局を運営し,これ以外の 117 の公共ラジオ局も NPR の番組を放送しています。そして,コストを抑えながら運用効率を高める努力の一環として,NPR はこの正真正銘のラジオ局の運営の最前線にバーチャル・コンソールと音声ネットワーク技術を配置するという劇的な多段階の設備強化のただ中にあります。セールス及びテクニカルなサポートをカナダのトロントにある LAWO 北米オフィスから受けつつ,NPR はリポーターやオンエア・タレントが高水準のセルフ操作を簡単にできるように設計された LAWO テクノロジーを採用しました。

このアップグレードはかなりの部分で LAWO の『crystal』コンソールとコアや『Nova17』ルーター・コア,VSM ソフトウェア搭載の『Nova73 HD』ルーター,そしてタッチスクリーン表示用のサポートを提供する『VisTool』ソフトウェアを中心にして行われており,そのためユーザーの方々は従来の音声卓にあるような信号の流れを把握する複雑さを回避できるようになっています。『VisTool』の包括的なプログラミング能力とコンフィギュレーション能力を活用して,NPR と LAWO はユーザーがインタビューを行ってコンテンツを作る分に関してはほぼ自分一人で十分な環境を作り出すことができました。様々なインタビューやリポート用設備は今ではタッチスクリーン画面や小さな LCD スイッチ・パネルを用いて運用されており,ソース選択や信号ルーティングやレベル制御,関連機能のような共通作業を単純化するためにコントロール類は最小限の数に抑えられています。このバーチャル・コンソール技術は——LAWO の『Nova17』及び『Nova73 HD』オーディオ・ネットワーキング・システムとの組み合わせで——NPR の日々の活動に劇的なインパクトを与えています。

NPR の技術部長 Bud Aiello 氏は新システムの設計・開発・実装を担当しています。NPR の以前の制作モデルの徹底的な再検討の後,Aiello 氏と同氏のチームは,改修後の施設(インタビュー・ルーム 1 つ,トラッキング・ルーム1 つ,「phoner」ブース6 つ,サンフランシスコの遠隔ブース 1 つ)が 2 つの管理ステーション(MCR[マスター・コントロール・ルーム]と OPS[ニュース・オペレーションズ・デスク])と一体化されたバーチャル・コンソール技術を使用するような環境を設計しました。現在,実際に触れることのできるハードウェア・ベースのフェーダーを備えることが計画されている部屋はニュースキャスト・ブースと制作室 3 及び 4 だけです。

「最初に設置された私たちのシステムは「Interview Room」と呼ばれています」と Aiello 氏は解説します。「この部屋はオンエア施設ではありませんが LAWO『crystal』のコア 1 台とユーザー・インターフェイス用のデュアル・タッチスクリーン・モニターを使っています。物理的な押しボタンはありません。ここでは番組の司会者やリポーターが自分と相手のマイク用の画面上のアイコンに触れたりして電話インタビューを選びます。その人はマスター・コントロール・ルーティング・スイッチャーのリソースも使用でき,世界中の NPR のリモート・ロケーションのどこにいる誰とでも IP や ISDN,衛星,あるいはその他のリモート・アクセス手段を介してコミュニケーションをとることができます。」

NPR の制作システムからの入出力ルーティングに加えて,オペレーターは自分のカットに名前を付けて録音を開始できます。ミックスやミックス・マイナス,そしてヘッドホンや制作システムへの様々なフィードはバーチャル・コンソールを介して作られます。このシステムは一定の音量レベルを保つために,そして下流でのオーバーロードを防止するためにコンプレッションとゲイン・コントロールを注意深く適用します。Interview Room には第 2 のコンポーネントがありますが,それはインタビューの扱いが難しい場合に使うプロデューサー・エリアです。ここではプロデューサーは Interview Room の隣に座を占めて第 2 のタッチスクリーンを使ってミックスを制御できます。

「Interview Room での問題は,洗練されたミキシング・コンソールなしにこの設備を成り立たせるために必要なミックス・マイナスを作るプロセスでした」と Aiello 氏。「普通,このタイプの部屋を使う人は熟練のコンソール・オペレーターではありません。私たちの新しいバーチャル・システムを使うことでこの問題にも対処でき,その過程で一人で十分に高いレベルの作業を完結できる能力が組み込まれます。」

Interview Room と同様に,NPR の Tracking Room も LAWO『crystal』のコアを 1 台使いますが,タッチスクリーンの代わりにユーザー・インターフェイスとして LAWO 社の『KSC.LCD14P2』LCD スイッチ・パネルを備えています。『KSC14』は 14 個の 3 色発光 LCD ボタンと 2 個のロータリー・エンコーダーを備えた 19 インチの 1RU パネルです。ここではリポーターやニュースキャスターはマイクの前に座ってカットを制作システムに録音できます。リポーターたちがインタビューからの質問を調べて答える必要がある場合,制作システムからインタビューを再生して以前に録音された素材に合わせて話すことができます。

特に電話インタビュー用に NPR はもともと 5 つの「phoner」ブースを持っていましたが,それらは LAWO のバーチャル・コンソール技術を取り込むようにオーバーホールされています。「これらの部屋のいくつかは ISDN ハードウェアを装備しています」と Aiello 氏。「このハードウェアは私たちが最初に構想したようなシンプルさでは動かなかった技術を用いて作られました。機材はユーザーフレンドリーではなく,リポーターたちはこのような問題を解決できるような能力を持っていません。このような短所はバーチャル・コンソール・セットアップに移行することで解決されるでしょう。バーチャル・システムは効率が良いですから,私たちは新しいコンフィギュレーションでブースを 6 つ作るつもりです。」

2 台の LAWO『Nova17』コア・ルーターをシステムのエンジンとして用いて,「phoner」ブースのそれぞれはタッチスクリーンではなく LAWO の『KSC14』スイッチ・パネルを装備しています。LAWO の『KSC』スイッチ・パネルはマイクやマスター・コントロールやハイブリッドや,IFB to MCR や OPS の選択に使います。これらのブースはリポーターが部屋に入ってゲストの電話番号をダイヤルしてテレフォン・ハイブリッド上に呼び出し,その会話を『Nova17』ルーターを介して制作システムへ送ることができるように設定されています。必要であれば MCR ルーターの全ソースを利用できます。

「LCD ディスプレイのゆえに私たちは LAWO『KSC14』パネルを選んだのですよ」と Aiello 氏。「今ではボタンを動的に識別でき,パネル上に複数のレベルを表示させることができます。ボタンは機能ごとに色が変わり,ヘッドホンやモニターのレベル制御に使う 2 個のロータリー・エンコーダーがあります。MCR と OPS——これはこのシステム内の 2 つの管理的な場所ですけれど——と表示されたボタンもありますが,このボタンはそれぞれの場所へのインターカムとして機能します。タッチスクリーンと違って,このアレンジメントはバーチャル・コンソールへの実際に触れることのできるインターフェイスを提供してくれます。」

これらのシステムは音声ネットワーク化用に LAWO の『Nova17』デジタル・ルーターを使って構成されており,MADI を用いて互いに接続されています。『Nova17』のルーティング能力のおかげで,これらの部屋は 1 つの共通なシステムへと統合され,マスター・コントロール・ルーティング・スイッチャー上のあらゆるソースとデスティネーションを簡単に含めることができます。

MCR と OPS はどちらも LAWO の『VisTool』ソフトウェアを使って NPR システム全体に視覚的なインターフェイスを提供します。同様に,各局は Interview Room や Tracking Room や全「phoner」ブースを,そして WAN-IP を介してサンフランシスコのブースを,『VisTool』で監視できます。このソフトウェアによって技術者たちはメーターやノブ等すべてを含むバーチャル・コンソールの画像を自らのディスプレイ上に表示できます。これらのロケーションから技術者たちは接続を調整し,万一ユーザーが困難に直面した場合には様々な部屋のセットアップを設定できます。技術者たちはマスター・コントロールのルーター上の任意のソースを指定された局にルーティングできます。LAWO『Nova17』はミックス・マイナスやミックスを作り,ミックスを適切なレコーダーやその他のデスティネーションに送ります。

「NPR のリモート・サンフランシスコ・ブースについては特に触れておく価値があるでしょう」と Aiello 氏は解説します。「私たちが実際に実装した第 2 のシステムはサンフランシスコのオフィス内の制作ブースを現場で置換するものでした。私は LAWO 社のシステムについては十分に信頼していましたから,『crystal』のコアを ISDN の CODEC とテレフォン・ハイブリッドと『KSC』パネルと一緒に小さなキャビネットに入れ,プログラムしてサンフランシスコに送りました。到着したらすぐにそのブースの取り付けは完了しました——私たちがワシントンからシステムを管理できるような NPR の社内 IP ネットワークへの接続も含めてです。予想されたとおりに,すべて問題なく動作しました。

Phase Two: Automated Rollovers and Stream Monitoring
施設強化計画の第 2 段階の一部として,NPR は LAWO の『Nova73 HD』大型ルーターを中心に L-S-B の Virtual Studio Manager(VSM)ソフトウェアを用いて構築された同社のネットワーク音声/データ・ルーティング・システムを設置することにもなっています。これは 9 月 30 日までに完動状態になる予定の集中化された音声及びストリーミング用の MCR の機能の一部です。このシステムはワシントン内の複数ソースやその他の NPR のコンテンツ・ソースからのアポロジーや DSP,ルーティング,メーター表示を提供することになっています。

現在の運用形態では,NPR の多様なプログラムすべてを届けるために,ワシントンの NPR は毎日午前 7 時から午後 10 時まで米国の様々なタイムゾーンに対して番組を繰り返しています。この新しい LAWO/VSM システムはこのプログラミング操作の自動化を完成させます。

この計画はオートメーション・システムの出力やショー用のライブ・フィード,バックアップ・フィード,様々な追加フィードを含む約 125 のソースをこのシステムに接続することを必要とします。VSM ソフトウェア内のアポロジー・システムを通じて,自動化されたこのシステムは特定の出力にルーティングされた第 1 のフィードを連続的にモニターします。そのフィードが途絶えた場合用に 4 つのバックアップ・レベルを持つ計画シーケンスがあります。これは指定デスティネーションへのフィードの連続性を保つためにシステムが選択を行えるというものです。

「このシステムの目的は全体的なオートメーションによってメンバーの局への連続番組の水準を高めることです」と Aiello 氏。「会員局用の番組を作ること以外に,私たちは衛星での配信用にいくつかの 24 時間年中無休の自動化されたストリームも作っています。それはヨーロッパや軍隊向けラジオ及びテレビや Sirius Satellite Radio の 3 つのチャンネル,日本のケーブル・システムや,ワシントン DC からプログラムしたドイツのベルリンでの FM 放送である Radio Berlin 向けのものです。この新しいシステムは 48 本の自動化ストリームが最初から持っている能力でこれら全部を扱います。」

Light at the End of the Tunnel
Aiello 氏は NPR が LAWO 社の音声及びネットワーク化技術を選択したことについて次のようにコメントしています:「2009 年の 8 月,私たちは試験プロジェクトを立ち上げていくつかの機材メーカーにそれぞれのソリューションをプレゼンするように招きました。LAWO が選ばれたのはこの会社のユーザー・インターフェイス・デザインとカスタム・ソリューションが可能なことが理由です。機能の少ないあるいはカスタマイズできるところの少ない環境が課す制約内で作業せざるを得ないようになるのではなく,私たちがやり遂げる必要のあることについてベストと思える方法で運用できるようになりたいと考えていました。LAWO の『VisTool』ソフトウェアを使うことで簡潔で人間工学的に使い易いようにシステムとそのユーザー・インターフェイスをカスタム・デザインできます。LAWO は最良のインターフェイスや柔軟なネットワーク化能力や最高レベルのカスタマイゼーション,そして非常に能力の高い成熟したプロダクト・ソリューションを提供してくれました。私たちの以前の機材が抱えていたユーザーが引っかかる罠はほぼ全部解消されました。」

「一連のプロジェクトと同様に,何事も一人でできるものではありません」と Aiello 氏は話をまとめました。「このプロジェクトに密接に関わった人々にも触れておきたいですね:Dennis Byrnes さんと彼のエンジニアリング・サービス・ユニット(ES)で,これには Bob Butcher さんや Dennis Coll さんやその他の ES チームが含まれます。ハードウェアを組み立て配線し動作するようにしてくれた人々です。Shawn Fox さんにもシニア・マネジメント・レベルや制作フローのモデルを通じてのご指導についてお礼申し上げます。」

原文:Roger Maycock(MountainCrest Communications)