2013-06-05

Royal Sound with United’s OB14 and mc²66

The Coronation of Dutch Prince Willem-Alexander.

4 月 30 日にオランダ国王ベアトリクス女王陛下が退位され,ウィレム=アレクサンダー皇太子殿下にお譲りになりました。この行事に合わせて,オランダの国営放送局「NOS」によって生放送され,他の多くの国々にも中継された堂々たる式典と,オランダのスーパースター バイオリン奏者 André Rieu による特別演奏会も催されました。

オランダのフルサービス・スペシャリスト「United」が執り行った当日のイベントの放送は全部で 160 台のカメラを要し,Jeroen ‘Huub’ Lelieveld 氏がダム広場の王宮と新教会における公式行事の音響監督を務めました。音声運用の中心は United 社社が運用する LAWO『mc²66』搭載車両 4 台の 1 つ「OB14」でした。コンソール上の 56 フェーダーの 12 レイヤー,そしてその MKII ルーターからの包括的な音声制御を備えたこのトラックは通常は 192 チャンネルのマルチトラック録音に用いられています。

「ウチの LAWO は想像できるあらゆる種類の仕事に使われています」と Lelieveld 氏は語ります。「これらのコンソールは VSM ソフトウェアで制御されるウチの集中音声ルーターであり,私たちはこれらを複雑なスポーツ・イベントや大がかりなライブ・イベントやショーやコンサートに使っています。」

そのような催し物には,主要なサッカー・イベント,メジャーなコンサートのマルチトラック録音(フライトホフでの André Rieu やスタッド・ド・フランスでの Coldplay やイタリアでの TOTO 等)やステレオ部分を 5.1 サラウンドでにするために『mc²66』の内蔵 AMBIT アップミキシング DSP モジュールを使って世界中の映画館に生配信された Red Hot Chili Peppers のアルバム・リリース・イベントなどが含まれます。

「映画館でそのミックスを聴きましたが映画館のスピーカーでの AMBIT アルゴリズムのサウンドには感銘を受けました」と Lelieveld 氏。

Quality counts
当然のことながら,ベアトリクス女王陛下の退位式とウィレム=アレクサンダー皇太子殿下の即位式は,あらゆる点までリダンダンシーを要求する巨大なメディア制作でした。「NOS と私たちの両方にとってこのイベントで素晴らしかったのは,放送の質が最重要視されていたことです」と Lelieveld 氏は語ります。「そのため私は異なるマイクや異なるマイクセットアップを試しに事前に現地を数回訪問して徹底的に準備することができました。重要な音源すべてに ── 退位式と即位式の両方での女王陛下と新国王陛下,そしてダム広場内の教会のバルコニーから行われるスピーチ ── マイクを 2 重にしました。私たちはこのイベントの 5 日前からセットアップを開始し,イベント前日にはウィレム=アレクサンダー皇太子殿下とマクシマ皇太子妃殿下をお迎えして大がかりなリハーサルを 1 回行いました」と同氏は付け加えます。「このリハーサルでは,皇太子殿下がじきじきに王座からのサウンド・チェックを,お座りなった状態とお立ちになった状態の両方で,私にしてくださいました。」

2 重のマイクはリダンダントな音声接続によってサポートされ,すべての信号は LAWO『DALLIS』ステージボックスに,そして OB14 トラック内の『mc²66』コンソールのローカルな入出力に信号供給する銅マルチコア・ケーブルへとパッチされました。銅ケーブルの信号も国内向けプログラムを扱う第 2 の車両へとパッチされました。この車両はメイン車両が万一故障した際には機能を引き継ぐ準備ができています。「私は『mc²66』上で約 160 の入力チャンネルを使いました。このセットアップは光ファイバーを介して接続されたステージボックス 1 台とリダンダンシー及び追加信号用の 15 本の銅マルチコア・ケーブルとからできています」と Lelieveld 氏は説明します。

「教会内の PA 会社も各マイクからアナログ・スプリットを 1 つ取りましたので,こんなにも多くの銅ケーブルや 3 つの会社がこれらのマイクにつながっていると,放送の安全性を犠牲にすることなく信号をハムやバズのない状態に保つのは非常に困難なことはご想像頂けると思います。結局,私たちは教会内ではアクティブ・スプリッターを 1 台使わなければなりませんでした ── もちろん,これは故障の生じる可能性のあるポイントが 1 つ増えたことになりますが,国王陛下のスピーチに少々のバズが乗る,ということを考えますと,実際,他に選択肢はありません...」しかし,当日,バックアップ機材は 1 つも必要とされませんでした。

「退位/即位式での難しい点は国会議員の宣誓でした」と Lelieveld 氏は言います。「新教会での即位式に際しては全部で 250 人の国会議員が宣誓をします。250 人全員がテレビ放送で聞き取れる必要がありますが,マイクが見えることは許されません。当然,これはやりがいのある挑戦でした。音響チームと一緒に私は沢山のショットガン・マイクと仕込み式の小型オムニ・マイクを配置しました。音響チームの連中を 250 の椅子それぞれから立ち上がって声を出させ,各席にとってどのショットガンや隠しオムニが一番良い音がしたかを書き留めることで宣誓のリハーサルを行いました。このリハーサルでデッド・スポットがいくつか見つかりましたが,この目的のために 8 チャンネルの無線受信機を 1 台持ってきてありましたので,椅子の背もたれの後ろ側に布粘着テープで留めたベルトパック上にラペル・マイクを載せてデッド・スポットをカバーできました。」

その日遅く,アムステルダムのミュージアム広場において王室主催舞踏会が開かれ,そこでは多数のゲスト・アーチストたちと共に André Rieu が演奏しました。ここでも約 200 チャンネルの音声のミキシングとレコーディングに LAWO『mc²66』が使われました(LAWO のレンタル・パートナー会社である「ABS」からの追加ハードウェアも用いました)。

1,200 万ユーロを費やしたと言われる王室のパレードは大勢の観衆をダム広場に呼び,譲位した女王陛下には拍手喝采が延々と送られました。このパレードには英国からのチャールズ皇太子殿下とコーンウォール公爵夫人殿下,ならびにデンマーク,タイ,カタールからの皇太子と皇太子妃,そして日本からの雅子皇太子妃殿下を含む世界中の王室・皇室も集まりました。世界中のテレビ視聴者の方々とこの式典の様子を共有できたことを United と LAWO は誇りに感じています。

United について
オランダの制作会社 United はヒルフェルスムに本拠を置き,9 台の最新鋭 OB 車両及びモバイル・コントロール・ルームを運用しています。ベルギー,フランス,英国,ドイツ,イタリア,スイスに制作及びポストプロダクション施設を持つ巨大な Euro Media Group の一員である United は全ヨーロッパにわたってメジャーなスポーツ・イベントやライブ・コンサートに録音車両を提供しています。