2012-10-16

Viennese Spirit.

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Recording control room of Vienna Opera equipped with Lawo system.

「ウィーン・フォルクスオーパー」は極上の音楽エンターテインメントを提供するオペレッタやミュージカルやバレーの殿堂です。刺激的で多面的で愉快なフォルクスオーパーは「オペレッタ」というジャンルを扱うウィーンで唯一の演奏会場です。1898 年建造のこのビルディングは防火対策の改善が行われることになり,音声技術機材を納めた部屋もそれに含まれました。これはデジタル機材を備えた調整室を改修・更新して完全に新しい内装と最先端の技術を施す機会となりました。録音用調整室のためにウィーン・フォルクスオーパーが選んだのが LAWO 社の『mc²56』ミキシング・コンソールです。

9 月から 6 月までのオペラ・シーズン中には,約 35 の異なるプロダクションの 300 回ほどの公演が 1,337 席を備えるこの劇場の上演スケジュールに載ります。フォルクスオーパーの演目は《魔笛》から《トスカ》まで,あるいはミュージカル《マイ・フェア・レディ》からバレー《マックスとモーリッツ》までにわたります。もちろん《こうもり》《メリー・ウィドウ》《ウィーン気質》のようなオペレッタの古典も忘れてはいません。150 人以上の歌手と 95 人のオーケストラ楽団員と 100 人のダンサーがこのアンサンブルに参加します。これは,サイズと柔軟性と品質に関して音声技術には高いレベルの要求があることを意味し,フォルクスオーパーはオペラとオペレッタとミュージカルとバレーをスケジュールに載せるウィーン唯一の多目的の劇場ですから,録音用調整室にも同様に厳しい要求があります。

録音調整室用の LAWO の『mc²56』と HD コアならびに 1 台の DALLIS フレームは 32 フェーダー(16-16C)と 96 DSP チャンネルを提供します。ルーターは 8,000 × 8,000 のクロスポイント容量を持ち,電源ユニットはリダンダント設計になっています。この『mc²56』は調整室内のデジタル・ミキシング・コンソールに置き換わるもので,PA 用にすでに設置されてあるデジタル・コンソールを完璧に通信する必要があります。メーカーは異なりますが,片方の調整室はもう片方の調整室と音声信号を共有できます。「PA 用調整室と録音用調整室の間には,アナログ回線に予備回線があるように,主に MADI を介する接続があります。OB バンには MADI やアナログ接続を介して信号供給もできます」とウィーン・フォルクスオーパーの音声及びメディア技術長 Martin Lukesch 氏が解説します。

フォルクスオーパーの技術部門は適切な機材についての調査に 1 年半従事し,このチームは展示会へ行って多くのミキシング・コンソール・メーカーから情報を集めました。候補リストに載った全メーカーは自社のコンソールをテスト用に提供することに合意しました。実際の条件下での試験運用及び見積りの検討の結果,LAWO 社の『mc²56』を用いたソリューションが最も妥当であると判定されました。LAWO はウィーン・フォルクスオーパーが理想とするコンセプトに最も近く,協力においては機敏な応答と円滑なハンドリングによって信頼できるプロフェッショナルなパートナーであることも分かったのでした。「このミキシング・コンソールの明確なデザインと直感的な操作や優れた音質同様に,このシステムの機械的な作りの柔軟性やコンフィギュレーションの自由さが決定的な役割を果たしました」と Lukesch 氏は話を続けます。例えば,メーター表示の大きさとサミング表示の数は自由に選択できます。「そして何と言ってもアップミックスを含む洗練されたサラウンド・ミキシング・オプションのゆえに私たちは LAWO のミキシング・コンソール決めたのですよ」と Lukesch 氏。

ウィーン・フォルクスオーパーの『mc²56』の運用は 2012 年の 9 月 1 日から《ワルツの夢》《サロメ》《後宮からの誘拐》《椿姫》《トスカ》を録音することで始まっています。

写真:『mc²56』の前の Martin Lukesch(音声及びメディア技術長),Andreas Hendler(トーンマイスター)の両氏(ウィーン・フォルクスオーパーの録音用調整室にて)