2009-12-22

YLE Creates Blueprint for Remote Broadcasting

Finnish broadcaster uses innovative production concept.

フィンランド第 1 の放送局,フィンランド放送(YLE)は 2010 年冬季オリンピックのための旅費や滞在費用の高騰という問題に対する巧妙なソリューションを考案しました。フィンランドの視聴者のためのルポルタージュを収集と分配を行うために YLE は LAWO 社の技術を用いてオリジナルの制作ネットワークを作ったのです。これは現地バンクーバーに送り込む要員は少なく済ませながら品質や創造性は妥協しないというものです。

バンクーバーとウィスラーでのあらゆるコメンタリー及びインターカム信号を収集してそれをヘルシンキに送り,そこでミキシング用に YLE の制作ユニットに分配するというのが,スウェーデンの公共放送局 SVT とのジョイント・ベンチャーでの YLE の主要な制作コンセプトです。YLE と LAWO 社のハードウェア技師たちと LAWO 社の R&D パートナー DSA Volgmann との間の緊密な共同作業によって,リアルタイムの音声ルーティングや同時スケジューリング,そして地球を半周して機能する全マトリクスのリモート・コントロールとモニタリングのためのシステムが生まれました。

YLE のシニア技術アドバイザー Matti Helkamaa 氏は次のように説明します:「予算上の理由から,コメンテーターたちとリポーターたち,そしてごく少数の精鋭技術部隊だけを実際のオリンピック会場に送ることを決定しました。その代わりに,LAWO『Nova73 HD』マトリクス 1 基と『mc²66』デジタル・コンソール 1 台を備える当局のヘルシンキの Studio 25 を放送の主要な制作ユニットとして使います。HD 制作には HD-1 OB 内のリソースを使います。」

「コメンタリー信号とインターカム信号は,LAWO の『zirkon』コンソールと『crystal』コンソールと『Nova 73HD』マトリクスを装備し,SVT の 2 台の LAWO『mc²66』デジタル・コンソールがサポートするウィスラーとバンクーバーの 2 つの現地施設内に集められます。そこから,信号は DSA Line Scheduler システムを使ってスケジュールを組み,EBU の FINE Network の Nimbra AES サービスを介してヘルシンキとの間でルーティングされます。ウィスラーとバンクーバーとヘルシンキでは,SDI ベースでしか動作しない EVS Farm のために『Nova 73 HD』のカード内の適切な SDI 信号の音声チャンネルへ二カ国語のコメンタリー音声が挿入されます。制作ユニットからのリターン音声はヘルシンキの『Nova』マトリクスに集められ,カナダの 2 つのマトリクスを介して現地へ分配されます。」

このように複雑な信号収集セットアップにおいては,そして品質や柔軟性に関する妥協を排するには,すべての要素が完全に信頼できるものであることを要します。容量と時間帯の違いによるボトルネックというリスクが高まりますので,極めて正確なルーティングが必要とされます。LAWO 技術の熱心なユーザーである YLE にとって LAWO 社の実績ある『Nova73 HD』及び『DALLIS』システムは当然の選択でしたし,SVT で LAWO『mc²66』コンソールが使われたことであらゆる技術要素の統合がさらに進みました。『Nova73 HD』は 8,000 × 8,000 クロスポイントの容量を持ちますが,ここでは 1,024 入力及び 1,024 出力に設定されています。全システムはかなりの面でリダンダンシーが作り込まれています。

皆が実際に冬季オリンピックの現地にいるのと同じであることが制作品質についての YLE の基準です。3 箇所の運用現場のそれぞれではシステムは以下のように作られます:

ウィスラー

バンクーバー

ヘルシンキ

元々,ウィスラー⇔バンクーバー間及びバンクーバー⇔ヘルシンキ間の伝送は IP を介して行われる予定でしたが,これは今はバックアップとインターカム・サービス用になりました。その代わりに PGM 音声は現場間で AES フォーマットの EBU の Fine/Nimbra ネットワークを介して伝送されることになっています。

YLE の Helkamaa 氏は次のようにコメントしています:「LAWO 機材を使うことでのみ可能になると私が考えているタスクの1つに大規模なリアルタイム・ルーティングと音声信号のスケジューリングがあります。切替は離れたカナダで行われますが,主要なミキシングはフィンランド内の 2 つのユニット内で行われます。制作したものは 2 つの TV チャンネルで伝送され,HD プログラムも同様にあります。」

この制作モデルは高品質な番組を作るために世界中に技術チーム全員を送るには予算的に厳しいと考えている放送局やプロデューサーたちに確かにアピールするでしょう。LAWO 技術のユニークな統合こそが質の高い放送作品を生み出す YLE の能力を保ちながら現地予算を低く抑えることのキーポイントです。

昔ならば多くの TV 局は自局番組コンテンツの遠隔収集というアイディアに尻込みをしたでしょう。しかし,一連の LAWO 製品が可能にした運用とプログラミングの容易さや速度と信頼性によって今やプロの使える現実のものとなりました。カナダでの YLE と SVT の試みが成功すれば他の放送局も必要最小限の現地クルーだけを開催国に送るようになり,予算を自局のスタジオ機材のアップグレードに使い易くなるでしょう。

冬季オリンピックを 2 箇月先にひかえて Helkamaa 氏は次のように話を締めました:「WAN 及び MTX リモート・コントロールをシミュレートするケルンの DSA Volgmann でのネットワークの試験に成功したところです。この分散型モデルが申し分なく動作し,現地制作費用を低減したいと思っている放送局にとって基準となるだろうと私たちはすでに確信しています。」